「……うぐ、酔いましたあ……」
店を出てマンションに着く頃には、雪村は自力で立てなくなっていた。
「吐くなら家でしてくださいよ」と、華奢な腰に手を回してエレベーターのボタンを押す。
酔っちゃったとか言って甘えてくる女は大歓迎だけど、潰れる女はマジで面倒くせえって思う。
大概は放って店を出るか、あるいはタクシーに押し込んでばいばいだけど、こいつの家が隣なもんで無視するわけにもいかなかった。
「うう、目がとても回っています。なんででしょうか?」
「飲みすぎだ、アホ」
「ふえ?今なんか言いましたかあ?」
雪村はひくっと、しゃっくりをしている。
チェリーブロッサムのアルコール度数25。ジュースみたいに7杯も飲めば、そりゃこうなる。
「ほら、家に着きましたよ。鍵は?」
「うーん、鍵でしゅか?たしか大学のロッカーに忘れてきました」
「はあ?」
思わず語気を強くしてしまった。



