俺は押し倒した身体を今度は丁寧に起き上がらせた。
「どうする?迷信じゃなくて本当にヴァンパイアになったら」
雪村の白いニットを肩まで下げると、綺麗な鎖骨が浮かび上がり、なめらかな肌がよく見えるようになった。
「そしたら私が藤堂さんの首筋を噛みます」
俺は驚いて目を丸くさせる。
「なにお前、俺のこと好きなの?」
「出逢ったら時から……素敵だと思ってました」
また雪村は手で顔を隠す。俺はその手を退かして、もう隠せないように強く握った。
出逢った時からって本当かよ、とクスリとする。
俺が大好きなヴァンパイアだからそう言ってるのかもしれない。
でもたしかに雪村と繋がっている手からは速すぎるくらいの脈がドクドクしていた。
「なあ、いい子だからもう一回言って」
俺は雪村の身体をきつく抱きしめて耳元で囁く。
ゆっくりと唇を移動させて柔らかい首筋にたどり着くと、静かに牙がある口を開けた。
「出逢った時から素敵だと……あっ」
雪村は俺の好みじゃない。
だから恋にはならない。
まあ、絶対なんて、言わないけど。
†END†



