こいつはただヴァンパイアというものに興味があるだけ。
俺もこいつの血に興味があるだけ。
考えてみればこれ以上に後腐れない関係はないかもしれない。
「っていうか、さっきから藤堂さんのキャラが違います」
「どんなキャラ?」
「いつもは紳士で知的で優しいお兄さんって感じでした」
「今の俺が本当の俺だよ。見た目は優しく見えても、優しくねーもん」
多分、過去にはひどいこともしてきた。女に叩かれたこともある。だから見た目で判断しちゃダメだってことをこいつはこれを機に学んだほうがいい。
「優しい俺じゃないと噛まれるのは嫌?」
「そういうわけじゃないです。ただなんか私、心臓が速くて壊れちゃいそうで……」
「緊張?」
「私、藤堂さんにドキドキしてます」
雪村はそう言って両手で自分の顔を覆っていた。
これだから、なにも知らない女は面倒なんだ。
いちいち恥ずかしがられて、いちいち可愛いことを言われると、なんだか粗末に扱えなくなる。



