うちの家系は代々ヴァンパイアだ。
先祖を辿ればそれなりに歴史があるんだろうけど、とくに関心はない。
自分たちのルーツを知ったところで、この体質が変わるわけではないし、俺が普通の人間になれるわけでもない。
俺はヴァンパイアという性質を早い段階から受け入れてきた。
9つ下の弟はなかなかそれができずに苦しんでいるけど、俺は違う。
今までとくに我慢もせずに好みの女がいれば血を吸ってきた。
〝好血期〟という厄介な時期に入ると、どうにもこうにも制御できずに手当たり次第に噛みついたこともある。
でも正直、欲を満たすためだけに吸う血はくそ不味い。苦いっていうか渋みがあって、とてもじゃないけど喉を通過していかない。
その点、好みの女の血は癖がなく飲みやすい。
そういえば、動物学的に相性がいい女の血は甘いと聞いたことがある。
それそれはチェリーブロッサムのように口当たりがよく、一度その味を覚えてしまうと他に目移りできないほど魅惑的なんだそうだ。



