「……え、あ、え……??」 切れ長の目。ゆるりと上がった口角。 きらりとひかる耳元にあけられた赤いピアス。 こいつは……この男は……。 そいつの顔をたっぷりと5秒くらい見つめた後、すごい勢いで布団を跳ね除けた。 「あ、亜雁くん……?!」 亜雁理羽(あかりりう)くん。 一年生になってから結構経つのに、まだクラスメイトの名前を全把握出来てない私でも、さすがに知っている。 それを置いておくとしても、この容姿で目立たない人なんていないだろう。