絆され、みだされ、惑わされ





「じゃあじゃあ、どんな部屋だった?!」

「それはプライバシーの侵害に繋がるんじゃ……」

「むう、それならどーゆー経緯で亜雁の家にお邪魔したの?」



それがわかったら苦労しないよ……。

私でさえ覚えてないんだから、ほんとに意識朦朧としてたんだなあ。


……というか、亜雁くんってもしかして危機管理能力ないのかな??

自分で言うのもなんだけど、こんな得体の知れない女子を家にあげちゃ絶対ダメだよ。



「……たぶん、非常事態だったから?」

「何そのたぶん」



はっきり言いなさいよ、と詰め寄られるけどこればっかりは無理。

まず知らないから無理だし、もし知ってても絶対的に教えたくはない。



いつどこで情報が漏れるとは限らないし、第一、



────亜雁くんまで巻き込んでしまいそうで、こわいから。