食事は、とても美味しかった。どんなに気持ちが晴れなくても、食べ物に罪はない。私は無言で食べ続け、その美味しさに口元が緩んだ。
すると、前に座る祐一がフッと笑った。
「良かった。やっと笑ってくれた。」
そして、嬉しそうにそう言った。私はそんな彼を見て、思わず俯いてしまった。いつまでも拗ねている自分が、恥ずかしくなったから。
自分の姿に反省し、私は静かに箸を置いた。
「ごめん。祐一のお父さんが忙しいってことは、分かってたはずなのに。仕方ないことなのに。.....責めてごめんなさい。」
「ううん。詩音が怒るのも無理ない。すっぽかしたのはこっちだから。それに、忘れてたのも事実。俺も悪い、ごめん。」
私たちは謝り合いながら、お互いに顔を見合わせ、思わずクスッと笑った。
「うん。この件はこれでおしまい。今から何言っても仕方ないし、改めて仕切り直さなきゃね。」
私は気持ちを切り替え、また食事に戻った。
すると、彼が突然鞄から何かを取り出すのが見えた。箸を止めると、彼が並んだ食事を端に寄せはじめ、ある雑誌を開いて私の方へと差し出した。
「この後は、ここ行こう。」
そう言って指差すページを見て、思わず目を見開いた。

