愛を孕む~御曹司の迸る激情~


「琴音。パパ、今日は一緒に食べられるって。」

 思わず、そう言っていた。


 今まで、祐一とは必要以上に会わせないようにしてきた。食事もしない、会っても少し話すだけ。

 結婚していない祐一とは、毎日一緒に居させてあげることができないから。その方が、寂しさを感じなくてすむと思った。

 でも、そんなことで父親のいない寂しさが変わるはずはなかった。そんな簡単なことに、ようやく気づいた私はバカだ。


 父親のいる家族にずっと憧れていたのは、紛れもないこの私。寂しかったあの時の思いを、琴音には感じてほしくないと、祐一と会わせたつもりだった。

 琴音には、ちゃんと父親がいるんだと示したかったから。でも、ただいるだけでは意味がない。どうして分からなかったんだろう。

 その気持ちを一番分かっていたのは、私だったはずなのに.....


「本当に!?やったぁー!!」

 そう喜ぶ琴音を見てにっこりと笑いながら、祐一と目を合わせた。

「いいの?」

「うん。」


 会いたくても会えないのと、会えるのに会わないのは違う。琴音は、ちゃんと父親が生きている。

 私たち親の都合で振り回してばかりで、寂しくさせてるのは私自身だ。

「父親らしいことしてあげて。」

「詩音.....」