「詩音、ごめん。」
すると、なぜか突然謝ってきたひな子。反省したようにしゅんとして俯き、言いづらそうに口を開いた。
「祐一さんに、子供がいることバレたかもしれない...」
そう言うひな子に、私はまだ頭がボーッとしていて状況が掴めずにいた。
すると、何も言わない私に焦ったのか、慌てた様子で顔を上げた。
「あのね、わざとじゃないだよ?詩音が倒れたの見てビックリしちゃって、赤ちゃんは?ってつい...。そしたら祐一さん後ろにいて、聞こえちゃったかもしれない...と思って......」
そう言いながら、だんだんと小さくなる声。
祐一に、知られた。私は内心、ドキッとしていた。自分の赤ちゃんがお腹にいることを知ったら、彼はどうするのだろうか。
そんな思いを巡らせながら、ひな子の手をそっと握った。
「気にしないで。わざわざ言うつもりなかっただけで、知られたら知られたで仕方ない。ごめんね、心配かけて。」
倒れたばかりでか細い声になりながら、ゆっくりとそう伝える。
今更、起きたことをとやかく言っても仕方ない。思いとは裏腹に、ひな子には笑顔で強がってみせた。

