「ほら。俺って、成宮さんの直属の後輩じゃん?」
すると、突然訳の分からないことを言い始めた須崎くん。意味不明な返しに呆気にとられ、ポカンと口が開いた。
「だから、そっちの部署によく顔出してて。暇だろーとか言って人使い荒いんだよな、あの人。」
「うん.....。」
「そうすると、見えるじゃん。蕪木の席。」
「あぁ.....。」
そう言われた瞬間、私は分かりやすく目を逸らしてしまった。須崎くんのその目は、なんだか全てを見透かしているように見えたから。
「最初は、オレンジジュースとか珍しー、と思って見てたんだけど、行くたびにそれしか置いてなくて。」
一方で、そう言いながら目を泳がせ、私の隣に座った須崎くん。ビールの缶を、プシュッと美味しそうな音を立てて開けると、何かを誤魔化すようにゴクゴクと飲み始めた。
「須崎くん、あの.....」
「たしかに、わかる。それ、たまに飲むと急に美味く感じたりするんだよなー。」
必死に言葉で間を埋めようと、私の言葉も遮りながら無理やり笑っていた。私は、なんだか胸が痛かった。そして、たまたま目が合うと反射的に目を逸らす、そんな彼を見ていて思った。
きっと、勘づいている。

