愛を孕む~御曹司の迸る激情~


 会社から歩きながら、どこに連れて行かれるかも分からずに彼の後ろを歩く。その道中、お互い他愛もない会話をした。

 でも、この意味深な誘いの理由は分からないまま、内心ドキドキしていた。


 それから、歩くこと5分。自然と入っていった先は、近くの公園だった。

「え.....っと、何で公園?」

 1月は、日が暮れるのも早い。公園にはもうほとんど人がいない時間で、すぐ側の大通りに走る車の音が聞こえてくるだけだった。

「いいじゃん、たまには。なんか急にこういうとこ来たくなるんだよなー。分かる?」

 そう言う彼を横目に、よく分からずにクスクスと笑いながら、私は近くのベンチに座った。


 すると、自動販売機の前に立った須崎くん。迷いもせずにボタンを押し、すぐに飲み物が2つ落ちてきた音がした。

「はい。」

 そして、差し出された缶を受け取りながら、ハッとした。

「あ、ごめん。私......」

 私は勝手にビールを渡されたと思い、慌ててそう言いかけると、手の中にあったものを見て言葉を失った。

「なんで...?」

 渡されたのは、オレンジジュース。ビールじゃなかった。それにしても、いつも飲んでいるコーヒーか何かを渡してきそうなものなのに、よりによってどうして.....

 頭の中はハテナでいっぱいになり、目の前に立つ彼を見上げ、首を傾げた。