あの時、祐一が言った言葉を思い出しながら、呆然と立ち尽くした。
彼はたしか、予定していた日曜日には、お父様が来れないからとそう言った。お父様の仕事の都合があるからと。だから何も言えず、引き下がるしかなかったんだ。それに、お父様に同行して出張だと、たしか前日からいなかった。
それなのに、ご両親はいかにも来れたという口ぶり。これでは話が違う、まるで合わない。
「詩音さん?」
黙ったままの私を見て、心配そうに顔を覗き込んでくるお母様。ハッと我に返った。
「顔色が悪いけど、どこか気分でも....」
「あ、いえ!大丈夫です。」
私は、慌ててその場を取り繕うと、心の中で思っていた疑問を必死で押し殺した。
今はやめよう。そう思いながら、ご両親を安心させるように笑顔を作った。
すると、そのタイミングでどこからか戻ってきた祐一。
「ごめん、お待たせ。じゃあ、帰ろうか。」
顔を見合わせていた私たちに気づく様子もなく、平然と現れそう言った。
「詩音?」
祐一が戻ってきて、すぐに歩き出していたことに気づかず、ボーッと立ち止まっていた私。隣にいないことに気づいた彼が、振り返ってそう言った。
「どうした?」
「ん?なんでも。」
一瞬、真顔になりながらも、また笑顔を作って誤魔化した。

