愛を孕む~御曹司の迸る激情~


「でも中止って、もう開場2時間前ですよ。人集められます?」

「ああ、そうなんだ。今日はパリのスポンサーがくるから、こっちは中止ってわけにいかないんだけど....。」

 心配そうな須崎くんを見て、成宮さんはそう言って呆れたようにちらりと目配せをした。


 目線の先では、確認を怠ったという担当者が上司からしっかりと絞られている最中。大量の汗をかきながら、ひたすら謝っていた。

 ツアー会社とやりとりをしていた彼は、ツアーで使っていたホテルを把握しておらず、気づいたのは連絡を受けた後だった。


「ひとまず、あっちか....」

 成宮さんはため息まじりにそう呟くと、彼らの方へつかつかと歩み寄った。

「あの、その辺で。」

「成宮くん.....。いや、でもな。」

「彼だけを責められないところはあります。僕たちもニュースは見てましたけど、彼に確認はしなかった。それにツアー会社からの連絡も遅かったですし、事が起きたのは昨日の今日です。」

「うーん...。」

 叱られる彼を横目に彼の上司をそう説得すると、成宮さんは持っていたパソコンを開いた。

「それよりも今は、この短時間で人を集める方法を考えましょう。」

 そう言って、みんなをまとめ始めた。


 その光景を見ながら、純粋にすごいな...とそう思った。自然と彼を中心に場が回っていて、みんなもそこについていく。根っからのリーダー気質。