その人が見ていたのは私で羽瑠ではなかった。 えぇ……そんな見られても。 と思うと前に影ができた。 見上げると蒼が私を隠すようにして立っている。 私を見てた男の人はビクッと肩を揺らして逃げていった。 私からは蒼の顔見えないけど多分怖い顔してるんだろうな。 ……ほんと、優しい。 蒼の行動で笑みが零れた。 ……この時間がずっと続けばいいのに。