きっと生まれた時から人生のランクづけは決まっている。

だから私が幸せになることなんて一生ない。


「お疲れさまでした」

朝から入っていたバイトを終える頃には、体は油の匂いでベタついていた。

私こと高橋(たかはし)亜美(あみ)がこの飲食店で働き始めたのはちょうど一年前。

同級生たちが高校受験を控えている最中、私はがっつりと稼げるバイト先を探していた。

週五日で時給は能力に応じて上がっていく制度もあり、今では当初の時給より40円もアップした。


「亜美ー!」

店を出て歩いていると、誰かに肩を叩かれた。振り向くと同じ店でバイトをしている未来(みく)がいた。