あたしは、わなわなと口を震わせた後、小さな声で聞いた。 「‥‥なんで、教えてくれなかったの‥‥?」 そういうと、空芽は、下を向いて言った。 「怖かった‥‥。 今まで春桜は、俺のこと、お兄ちゃんだと‥‥血の繋がった兄妹だって思ってたから‥‥。 居場所を失いそうで、怖かった‥‥」 空芽の肩が震える。 北条が、少し迷った後、言った。 「私は、中学に上がる頃に父に教えられていて‥‥‥。 でも、このことは絶対に2人に明かすな、と止められていたんです」 そう、だったんだ。