許嫁の彼




悔しくてたまらなかった。



認めてくれない皆んなに。



出来損ないだとちゃんとしろと言う親に。



頑張っても頑張った過程を評価してくれない親に。



そして何よりも、思っていることをはっきり言えない自分に。



———ガッカリした。



出来損ないでも、泣いていても、ちゃんとできなくても。



誰か『私』を、『私自身』を見てほしい。



こんななら、聖財閥の御曹司なんかに生まれてくるんじゃなかった。



私は泣いた。



泣き疲れて寝てしまった。