泣き疲れて泣き止んだ頃にはもう夕焼けで、午後の授業は全てサボってしまった。
「‥‥あ」
ケータイを開くと茉子と百合花と空芽から大量にメッセージと電話が来ていた。
時計を確認すると5時過ぎ。
目の腫れが治るのを待って立ち上がった。
「——いた!春桜!」
校門で待っていたらしい、空芽に捕まった。
「‥‥空芽」
ばっくばっくと心臓が暴れ出す。
「よかった無事で」
ハッとしたように笑うと、ん、と手を出してきた。
「だから!」
私の手をぎゅっと握った。
そのまま歩き出す。
何も言えずに口をパクパクさせる私は空芽の後ろをついていく。
手を、繋いだまま。
顔が熱かったのは、きっと夕日のせいだ。
空芽の顔をそっと盗み見ると、——真っ赤だった。
それもきっと、夕日のせいだ。