落ち着いて、春桜。



私は空芽の彼女じゃない。



なんでもかんでも嫌だ、なんて言う権利はない。



そう考えて、納得しているはずなのに‥‥。



もやもやと黒い霧が、出続けている。



胸が苦しくなって、その場をすぐに離れた。



何を楽しそうに話していたんだろう。



まさか空芽、百合花のこと‥‥?



「嫌だ‥‥」



そう呟いた途端、ハッとした。



空芽と話す時、ドキドキするのも。



空芽と距離が近くなって、顔が熱くなるのも。



他の女の子といて胸が苦しくなるのも。