許嫁の彼




「じゃああたし、こっちだから。また明日ね、春桜、百合花!」



「「ばいばい」」



「俺は?」



「はいはい、帰るよ空芽」



立ち止まる空芽を無理やり引っ張って帰路につく。



「じゃあ、また明日。ばいばい百合花」



「うん。また明日ね、春桜、聖くん」



私の家の前でばいばいした。



私は百合花の背中が角を曲がって帰るのを待ってから家に入った。