許嫁の彼



茉子は、はあ‥‥と盛大にため息をつく。



「それ、空芽くん以外にはやっちゃダメだからね?」



‥‥何を?



私は茉子の顔が怖かったのでとにかく頷いた。



放課後。



「ねえ茉子、今日部活は?」



「休み。だから行くんじゃん」



駆け足で走る茉子を必死で追いかける私と百合花。



駆け足でも早い‥‥。



「はあ‥‥はあ‥‥」



百合花も息が上がってるよ。



「着いた!一番だあ!」



うわあ、息が切れてもない‥‥。



「体力おばけ」



私がボソッと呟くと、百合花が大きく頷く。