許嫁の彼




「‥‥何やってんの、春桜」



「ぎゃっ!」



考え事をしながら廊下を歩いていた。



突然空芽に話しかけられてビックリして廊下の端まで飛びのく。




「傷つくなあ。それより。


今日俺、バスケ部の助っ人頼まれたから。


先帰ってて」



「分かった。頑張って!」



ぐーっ!と親指を立てる。



「見に行っていい?空芽くん」



「わっ!」



私の後ろから茉子と百合花が飛び出してくる。



「‥‥別に。いいけど」



「りょうかーい!3人で見に行くね!


さ・ん・に・ん・で!」