「‥‥‥ずっといたのかよ、お前」



「まあ。怖がってたしね」



俺は『ソイツ』を睨みつけるように見る。



「そんなガン飛ばすなよ。‥‥‥キスするのは意外だったけど」




「うるせえ。ほっとけ兄貴」



赤くなった頰を隠すようにゴシッと擦って、『ソイツ』に背を向け自分の部屋に向かった———。