空芽side



「‥‥‥早く俺のこと、好きになればいいのに」



寝てしまった妹、春桜を見て呟く。



すーすーと、規則的に寝息を立てる。




「‥‥‥が‥‥‥くうが‥‥‥」



寝言か?



「すき‥‥‥」



俺の顔は、熱を持つ。



「無意識、やめろ」




俺は春桜の布団から出る。



そしてそっと、春桜のピンク色の綺麗な頰に、触れるか触れないかくらいのキスを落とす。



「早く、好きになればいいのに」




そう呟いて、春桜の部屋を後にする。