「茉子、春桜、好きな人っている?」



「「‥‥へ?」」



百合花がその話題をふっかけてくるなんてすごく意外だった。



「そう言う百合花は?」



そう茉子が聞くと、明らかに動揺する。



「私は将来、多賀総合病院を継ぐから、お医者さんがいいんだよね」



そっかぁ。



将来まで考えてるんだ。



私は聖財閥を継ぐのは決定事項みたいなものだし、結婚相手も決まっているから。



好きな人も特にいない。



「春桜は?」


「へ?」



突然名前を呼ばれてビックリする。