ため息をつきながら言う。



茉子が何か言おうとするが、私がその口を封じる。



百合花が来る気配がしたからだ。



ガチャ



その読みはあたり、百合花が部屋に入ってきた。



「私、お風呂行ってくる。適当にくつろいでて」



そう言い残して部屋を出る。



「‥‥空芽?」



廊下の向こう側に、空芽の背中が一瞬見えた‥‥ような気がした。



「‥‥気のせいか」



私は特に気に留めず、お風呂に向かった。