許嫁の彼




そう呼ぶと、

少し驚いたような顔をして——


嬉しそうに、照れ臭そうに笑った。



「春桜———!!」



「春桜お嬢様———!!」



‥‥空芽と北条を置いて。



茉子は力の強い男2人に負けず、頑張って振りほどこうと頑張った‥‥らしく。



2人はボロボロだった。



2人に恨みがましい目で見られたのは、言うまでもない。