許嫁の彼




———しかし。


「ゴフッ‥‥星が見える‥‥」



「「‥‥ダメだこりゃ」」



吹っ飛ばされる空芽。



やばい、逃げられるっ‥‥!



「あっ!北条!」



そういえば北条は、門の前の掃除をしていたような!?



私は急いで北条に電話をかける。



「もしもし北条!?」



『何でしょうか、春桜お嬢様』



「今どこ!?」



『??門の前の掃除していますが』



あってた!



「茉子が逃げたの!捕まえて!」



『はい?』


と、電話口で茉子特有の、大きな声が聞こえる。



『捕まえましたよ、春桜お嬢様!』