許嫁の彼




「ああ。ここ、私と空芽と北条と住み込みのお手伝いさんしかいないから」



「「‥‥ええええええっ!!」」



シマッタ‥‥。



私、バカだわ‥‥。



私は観念して話すことにした。



「両親は本家に、私と空芽は別宅に住んでるの。中学3年のときから。ひかり学園に転校してきたときに」




「「ほえぇえぇぇ‥‥」」



何がほえぇえぇぇなんだろう?



「まあ、勉強しよ、勉強」



———30分経過。



茉子は頭をかきむしる。



「わーかーらーんー!」



「‥‥茉子さん、それでよく進学できましたね」



多賀さんがさらりと毒を吐く。