* * *


───放課後。

寄り道しない主義の澪ちゃんと教室で別れ、白坂くんと下駄箱へ向かう。


なんか、一緒に帰るのもだんだん抵抗なくなってきたかも……。



「あのさ白坂くん……最近、噂になってるんだけど、知ってる?」


「なんの? 西区の族が奇襲にあったって噂なら知ってるけど」


「……」


ああ、頭が痛い……。

会話の種類がもう違いすぎることも最近よくわかった。



「違うよ……っ! 私と白坂くんのこと!」



正門へと向かう途中、私は足を止めて主張した。



「噂じゃないでしょ。付き合ってんだから」


「そうだけど……」


「何か困ることでもあった?」


「困るっていうか……白坂くんと私じゃ、例え仮の彼女だったとしても、やっぱり釣り合ってないから……」


「俺は仮なんて思ってないけど」



そう言われても、今だって女子からは文句を言われながらジロジロ見られてる。


「水瀬も倉庫とかに出入りしてんのか……」と、男子達からもわけのわからないことを言われてるし……。