【騒音トラブル】

このマンションうるさすぎ。

朝はどっかの家のラジオ体操の音。昼は主婦の井戸端会議。夜は学校帰りの子供の声。

幸せいっぱいのご家族がたくさん住んでるのはけっこうだが、ひとり暮らしの俺にとってその音はうざったい騒音でしかない。

ほら、またどっかから赤ん坊の泣き声。

しかもピアノを練習する音まで。

「くそっ! もう耐えられないっ!」

俺は新しく引っ越し先を見つけ、マンションを出ていくことにした。

引っ越しの日。

鍵を渡しに大家の家に行くと、大家は深いため息をつき、こう言った。

「残念だねぇ。あんたが最後の入居者だったのに」