知らないことを知るということは。 とても幸せで嬉しいことだって。 このときは疑ってもいなかった。 それでもその中には、知らなければ良かったことだってある。 少女は何も知らないまま、ただ初めてばかりの感情に胸を高鳴らせて。 この時代の残酷さも何も知らず、赤子が歩いて言葉を話せるような、そんな成長過程のように。 ただ、そのときは何ひとつ考えていなかった。 *