じゃあ、土方さんは…?
あなたはどうなるの…?

どこへ、行くの?

私を置いてまた進んでしまうの…?



「離すなって…、言ったのに……っ!」



俺に命を預けろって、そう言ったのに。

私の命は土方さんのもの。
土方さんの命は私のものなんでしょう…?


だったら私もあなたが居なくなるときは、どこまでもついて行かなきゃいけないのに。



『俺が命を落とした時、そん時ゃてめえは俺の分まで生きろ』


『…生きろ。必ず』



全部こういう意味だったんだ───…。



「…ひどいよ…土方さん…っ、
嘘つき、…土方さんの……嘘つき…っ」



今まで捨てられたって思ってた。

だからまたこんな日が来てしまうときを一番に恐れてたの。

幸せが無くなったとき、私は1人で立っていられるのかなって。


だから今回だって「捨てられた」って、今までなら思ってたはずなのに。



「男という生き物はいつだって格好つけたいものなんだ。
それが、惚れた子の前では尚更ね」



これが土方さんの優しさなんだって、そう思ってしまった。

どこまでも不器用な人、それでいて誰よりも優しい人。


それが私が好きになった、


土方 歳三という男だった───。