それ程までにピュアな人だったから


あの最初以外、俺は桜さんにお願いも何もされてないな。

だから今日電話がきて頼ってくれて、少し嬉しかった


週1くらいで通ってた桜さんの家。杏ちゃんの家に行くようになって回数は減ったけど、バイト終わりとかに、桜さんの家には寄っている


「何か食べたいものある?」

「んー桜さんが作るやつならなんでも」

「もう、いつもそればっかり」

もう!そう言うのに優しく笑う桜さん。そして親子丼が出てくる


俺が好きだと言ったもの


なんだろうな
俺は寂しいやつなんだろうな



「ねぇ桜さん」

「ん?どうしたの?」

「泊まっていい?」

「珍しい。最近は泊まらずに帰るのに。どうかしたの?」

「今日は桜さんと一緒にいたい」

「いいよ」

「ねぇ桜さん」

「ん?なに?」


いつまで俺に笑いかけてくれるのかな




「抱いていい?」


そう聞くといつもみたいに笑うんだ

「いいよ」



そっと桜さんに触れる。あたたかい。優しい匂い

優しく触れないと壊れそうな気がした

どうしてこんな俺を受け止めてくれるの?そう聞きたかったけど、ぐっと堪える