「鈴ちゃん、大丈夫?待っててね」
ダメや
いかんといて
でも声が出ない
あたしの腕を掴むサトルの手に、力が込められた
い、たい
無情にも応接間の扉がしまる
あたしはもう、何も考えられへん状態やった。ただ震える身体を押さえつけて、冷静になれと自分に言い聞かす
でもそんなの無理やった
「やっと会えた」
目の前のサトルがあたしの顔を覗き込む。不快すぎてあたしはサトルを突き飛ばしたが、掴まれた腕はそのままで
バランスを崩してサトルの方へ身体が傾く
おかしいやろ
なんやねんこれ
「如月冬馬って…誰」
語彙力もなくなる。
今いるはずなんは、如月冬馬やろ?
如月冬馬は、鈴の婚約者やろ?
母上とも前から面識あるんやろ?
なんで目の前にいるのはサトルなん?
思うことはいっぱいある。
こんなに混乱したのは人生で初めてかも知れへんな。
人は本当にパニックになると、言葉が上手く出てこない
震えを押さえつけていた身体。そして、ピタリと身体の震えが止まった
その瞬間
目の前のサトルの腹に蹴りを入れる
小さな声を漏らし、サトルは数歩後ろへ下がった
「相変わらず強烈な女」
ダメや
いかんといて
でも声が出ない
あたしの腕を掴むサトルの手に、力が込められた
い、たい
無情にも応接間の扉がしまる
あたしはもう、何も考えられへん状態やった。ただ震える身体を押さえつけて、冷静になれと自分に言い聞かす
でもそんなの無理やった
「やっと会えた」
目の前のサトルがあたしの顔を覗き込む。不快すぎてあたしはサトルを突き飛ばしたが、掴まれた腕はそのままで
バランスを崩してサトルの方へ身体が傾く
おかしいやろ
なんやねんこれ
「如月冬馬って…誰」
語彙力もなくなる。
今いるはずなんは、如月冬馬やろ?
如月冬馬は、鈴の婚約者やろ?
母上とも前から面識あるんやろ?
なんで目の前にいるのはサトルなん?
思うことはいっぱいある。
こんなに混乱したのは人生で初めてかも知れへんな。
人は本当にパニックになると、言葉が上手く出てこない
震えを押さえつけていた身体。そして、ピタリと身体の震えが止まった
その瞬間
目の前のサトルの腹に蹴りを入れる
小さな声を漏らし、サトルは数歩後ろへ下がった
「相変わらず強烈な女」



