愛は惜しみなく与う⑤

普通に怖かったし


窓についてる、落下防止の格子を志木が切断して、いつでも取り外せるようにしてた。

な?アホやろ?バレたらクビじゃ済まへん


こう思うと、志木が1番頭ぶっ飛んでるよな。懐かしいわ



あの脱出ルートは、もう使うことはないやろうけど。むしろ、この家ではあたしがおらんことになってるから、あの部屋の掃除がされたわけや。

志木が必要なものとかは、ちゃんと保管してくれてるけど、あの窓の格子は、修理されたらしい。


もしあの格子があのままやったら、あたしは脱走してたかもしれへんから、それで良かった


「鈴ちゃん、冬馬さん敷地にはいってるみたいだから、待ってましょう」


母上が紅茶を持って部屋にきた
珍しい。母上が紅茶を淹れることなんてあったやろうか。

母上を見てると、如月冬馬に気を許しているのが分かる。
気に入ってるんやなって…



そして2.3分後




応接間の外で声がした



「冬馬です。お久しぶりです」



きた

声からして若く聞こえる