「鈴ちゃん?そろそろ着替えなくていいのかしら?」
「え?」
頭の中で色々妄想して忙しかった時に、当然の母上の声に驚く。
そうやったな、同じ部屋にいたわ
化粧はしたけど服はパジャマのまま
母上の前で着替えてもええねんけど、また腹筋が割れてるとか言われたら笑ってしまいそうやから、風呂場へ行く
腹筋なんて緩め方分からへんし
母上が用意してくれたワンピースに袖を通す。
そのヒラヒラのワンピース姿は、脱衣所の馬鹿デカイ鏡にはっきりと映る。
やっぱり服をちゃんとして、化粧もして、髪の毛も黒かったら似てるわ
二度見するわ、自分でも
「うん、似合うわね。冬馬さんとはどこで会う?」
どこで?
家にくるんやろ?
……部屋は嫌なぁ
「久しぶりだから、2人で話したいでしょ?」
「え?ええ…まぁ」
2人の方がええんかな?母上一緒に居て、最初は話をつないで欲しいけど!
どんな感じで話し出したらええか分からへんもんな
あたしのソワソワを感じ取ったのか、母上は笑って言った
「ふふ。鈴ちゃんったら!じゃあ応接間でお話ししましょうね」



