愛は惜しみなく与う⑤

「元は如月家の広告技術に私が惚れ込んで始まった話で。あなたを巻き込んでしまったのかと時々不安になるの」


初めて聞く事情
如月家が東堂と繋がることによってメリットが生まれるのは分かったけど、いったい東堂には何がメリットなんやろかって思ってたんや。


広告技術ね
大事やな。大きくするには


「初めて会った時は…鈴ちゃん全然乗り気じゃなかったから。でも1年前くらいから、如月家との結婚の話も、前向きに考えてくれたから…お母さん嬉しくて。

でも、嫌じゃないかしら。ギリギリになってこんなこと私が言っちゃダメなんでしょうけど」



あなたに嫌な思いをさせたくない


母上はそう言った


泣きそうになるわ


普通の母親の愛情や。
この人も…ちゃんと母親なんやな

こう言うのを知ってしまうと、何も言えなくなる


「大丈夫ですよ。私も…お母様と一緒に東堂を守って行きますから」


嫌いな訳ないよな
何があっても、過去にどんなことを言われたとしても…


この愛情が自分にも向けばいいのにって思う