愛は惜しみなく与う⑤

何人かお手伝いさんが部屋に来たけど
特に会話もなく去っていく。

とりあえず今日を乗り切ってやろうと思う



「鈴ちゃん?お洋服どうする?」


母上か
相変わらず早起きやな

母上は部屋にワンピースを何着か持ってきた。そうか。ドレスとか着なくてええんやな

ゆうたら、婚約者に会うだけやもんな


デートみたいな?
てゆうか、なに話すんやろ


「あなたのお誕生日の段取りは殆どこっちでしてるから、鈴ちゃんは、冬馬さんと当日踊るダンスの練習でもしなさいね」


だ、ダンスか

最後にダンスレッスンしたんはいつやろか。そらあたしも、昔はしてたよ。一応な

必要ないと思ってすぐ辞めたけど!


踊れるんかな

まず、ヒールを履いて軽やかに動くことが難しいかもしれへん。

ダンスの練習か…


「ねぇ鈴ちゃん?」

「はい、なんですか?」



「結婚が嫌になってない?」


不安そうな顔をした母上がそこにはいた。
こんな事聞いてくる人なんや。
割と強引に話が進んでるんやと思ってたけど。

嫌じゃなかったやろ。鈴は


好きなんやったら