愛は惜しみなく与う⑤

そして1時間くらいして、母上が部屋に来た


「鈴ちゃん…どこにも行かないでね」


部屋に入ってくるや否や…
どうしたんやろ


「お母様、どうかされましたか?鈴はここに居ますよ」

「ごめんなさい。あなたが居なくなる夢を見るの」


…ほらな

こんなん放っておけへんやろ


あたしも何度も夢を見るよ。鈴が目の前で暴行されてる夢を

しんどいよな

母上…


ごめんなさい



細くなってしまった母上の背中に手を添える。この人の事を守れるのはあたしだけや

お手伝いさんが紅茶を運んでくれて、少し母上も落ち着いた様子


紅茶…おいしくないなぁ


やっぱり志木の紅茶が1番美味しい。どこいったんやろ。あたしは…ほんまに頼りないな


志木が大丈夫って言ったなら、待つしかないんやろうな


信じて……



「ところで鈴ちゃん!結婚が嫌になったの?」

「え?そんな事ないですよ」


母上は机に何やらキラキラした計画書のようなものを広げる

これは?


「あなたのお誕生日ケーキの設計図よ」


ケーキに設計図とかないからな??うん