愛は惜しみなく与う⑤

こうしてあたしの軟禁生活は始まった


はぁ
毎日退屈。
母上はたまに部屋に来る。
ご飯の時とか…仕事行く前とか…


あたしに会いに来ては、あたしの姿を見てホッとして部屋を出ていく

ちゃっかり南京錠もかけて


トイレもキッチンも風呂もなんでも部屋についてる。 
ただすこぶる暇や

なーんもすることがない

携帯は、向こうを出た瞬間から電源を切っている。


そういえば

みんな怒ってるかな
ん〜怒ってるやろな〜

置き手紙だけとか、ブチ切れられてそう

でも無理やってん


みんなに引き止められたりしたら、あたしはここに来れへんかった


みんなといたいって思ってしまった。
でも帰らずにいたら、母上が何をするかわからへん。それに…スコーピオンもそろそろ動きそうやから


一緒にいれへん


大好きやったな

あたし帰れるんかな


コンコン

ノックの音が聞こえる



「鈴様。奥様が本日は誕生日会のお打ち合わせの時間を取るようにと、おっしゃっていました」


誕生日会ね
自分の誕生日会に何を打ち合わせするねん。チョコレートケーキにしてくれとか、そんなんか?