そうか
そういえばそうやった。
血だらけの泉
「なつかしいな」
まだそんなに時間は経ってないのに、なつかしいなと感じる出来事。
あの時は…大変やった
泉でかいし、引きずって帰るのは、なかなか大変やった
「女に拉致られたって聞いて、俺たちはかなり焦ってたけどね」
そうそう。
最初みんな敵意むき出しやった。朔なんて、暴言吐いてきてたし。
それはまぁ今もあんまり変わらへんけど
「皆んなと仲良くなれてよかったわ」
これがあたしの本音
本当に良かったと思う
なんの目的もなく、ただただ卒業という名の、死へのカウントダウンのような日々になると思ってたから
こんなに毎日楽しくて、いっぱいみんなの優しさに触れれて…
みんなの事を知ってもっと好きになる
すごく素敵な日々に変わった
朔に勉強しろって怒ってるのも、平和な日常の一部分
こんな日々が続けばいいのに
そう思う
「あーん?」
「え?あぁ、ごめん。ぼーっとしてた」
響が遠慮気味にトントンと机の上に乗るあたしの手を叩いた



