愛は惜しみなく与う⑤

苦笑いをしながら、怒られてしまいましたと志木さんは言った


「ふーーーん?まぁえらい長いこと空けてるな思ったし。雄作さんの迷惑ならんよーにしてや?あ、そうそう」


そう言いながら杏は、廊下のクローゼットをガサゴソと漁りだす

んーーあれ?どこやったっけ?


んーんー言いながら何かを探す杏は、あった!!!と大きな声を出した



「はい、これ志木にあげる!」


杏は小さな紙袋を取り出した。
手渡されたから志木さんも、反射的に受け取っていたが、困惑した様子


「えっと…何か仕事を押し付けられてる感じですか?」


志木さんが恐る恐る杏を見ると、ニコニコしていたはずの杏の眉間に、シワが寄った

えっと…



「いらんなら返して!」


志木さんの手元から無理矢理紙袋を杏が奪い取った。ばーか、あーほ!
小学生レベルの悪口をつらつらと言い続ける


「杏、どうした?」


志木さんは困惑してるまま
間に入ってあげようと思い、ぷんぷん怒る杏の近くに行くと、八つ当たりを喰らう


い、いたい…