愛は惜しみなく与う⑤


その日は杏様の高校の卒業式

その帰りに、鈴が杏様に卒業のお祝いだと、花を持ってきた時…


杏様の目の前で…鈴が拉致られました


突然現れた車に、目の前からいなくなる妹

杏様は…すぐに追いました
私も、車を特定して、その場所に行こうとした時に、杏様から電話が来たんです。


誰も連れてくるなと

『あたしが1人で行かないと、鈴が何されるか分からへん。』


そう言って、杏様は1人で向かったんです


もちろん1人で行かせるつもりなんて更々有りませんので。すぐ後を追ったんですが…そうなる事を予測していたかのように、かなりの人数が待っていて、手こずり…

そして


私が杏様を見つけ出した時には、片手にナイフを持ち、血だらけの杏様は床に倒れていました。

血は…サトルのもの
杏様は精神的ショックにより、気絶していたようで、少しの間、目を覚ますことはありませんでした。


そこには鈴も居ない、スコーピオンもいない。ただ杏様だけが残されていました。