「えらく重い空気ですね」
志木さんが帰ってきた。もう全て話したんですね。そう言って
何か用事を済ませてから来ると言った志木さんは、顔に傷を作ってきた
「どうしたんですか?」
この人が傷を負うなんて。
「舐めてかかったら、少し誤算でした」
そう言いながら口元が切れて、痛々しい傷を作った場所を触った
何かで殴られたような跡
「こんな顔じゃ杏様に会えませんので、皆様と少し話したら、私はビジネスホテルへ戻ります」
よいしょと近くに座ったが、どうも傷を作った志木さんの顔が見慣れなくて、その顔に視線を持っていく事に抵抗がある
俺がみんなに話すと伝えたら、志木さんは、決断を下した貴方達に大事な話があるので、後から私も行きます
そう言っていた
志木さんには、ここにいる俺たち5人共…
覚悟を決めると分かっていたのかもしれない。
大事な話
「私はここ数日、鈴に会いに行ってました」
…え?
鈴?妹の居場所がわかったのか?
「順を追って話します。少しお時間くださいね」



