向こうから仕掛けてくる可能性があると

その時俺は、烈火を守れるんだろうか

何を優先すべきなのか分からなくなる


でも俺が頼りにできるのは、烈火しかなくて。ずっと一緒に戦ってきてくれたから。

信頼して話せるから。



杏は久しぶりのマドリカのバイトで、昼からずっと居ない。
昨日あんなことがあったなんて忘れるくらい、普通に目覚めてバイトに行った杏


この時間がチャンスだ



「今から…重い話をする。これは俺のお願いだ。もしも覚悟があって、ついて来てくれるなら、そうしてくれたら嬉しい。でも決して強制じゃない。無理なら無理で構わないから」


グダグダと前置きをするつもりもなかったが、やっぱり口にするのは勇気のいる話だった




「杏の妹…わかるよな」

「??ええ、鈴さんですよね」


はぁ
心臓いたいな



「妹が生きてる。確実に…それで…スコーピオンと一緒に居るらしい」


これを言うだけなのに、随分かかった。言葉にすれば本当に現実なんだと思い知らされて。
そんなこと…そんな悲しいこと起こっていいはずがないから