無視しようとしたが、携帯は鳴り止まない。
誰だろう。泉達、起きたのかな


そう思って携帯を見て驚いた



「桜さん…」


今話したいような話したくないような。そんな桜さんからの電話だった


「どうしたん?出ぇへんの?」

「う、うん。あとでかけなおそうかな」

そう思ったけど鳴り止まない。

桜さんとはさっき、杏ちゃんと家を出る前に電話していた。


最近桜さんから電話が来るんだけど、その内容が少し心配で。

この前の同じ大学のストーカーではないらしいんだけど、また誰かに跡をつけられてる感じがするらしい


ここ何日かずっと

だから心配してたんだ。行ける日は桜さんの家に行ってあげたかった


「出たら?なんか、ちょっと。嫌な感じする」


杏ちゃんは、キョロキョロと周りを見渡した。何かあるの?
杏ちゃんの言う嫌な感じが分からないけど、とりあえず電話に出よう



「もしもし?桜さん?」


電話に出ても、向こうから何も聞こえない。

電波悪いのかな?


「もしもし?一旦切るよ?」


かけ直そうとしたとき


聞き覚えのない男の声がした