愛は惜しみなく与う⑤



えっと


「どう言う状況?」


理解が追いつかず尋ねてみると、女の子はあたしを見てハッとした顔をした


「あなたが峰岸杏ね!?」

「え、は、はい」


女の子は、まぁなんて言うんやろ。見た目はすごく小柄で小動物みたいな子。
服装が…うん、ゴスロリっていうの?そんな格好してる


まさかこれは、最近お馴染みの「お前が烈火に入った女か!」「男好き!」とか罵られるやつか!?

そう思ったけど


違った



「会えて光栄ですわ!!あなたにずっと会いたかったの。泉様が選んだ女性と聞いて!」


手を取られて、随分大袈裟な握手をする。
ブンブンと手をシェイクされる。あたしは口が開いてたやろうな


「少し触っていいかしら」

「は?」

あたしの返事を聞く前に、目の前のゴスロリちゃんは、あたしの身体をペタペタと触り出した

ちょっととかじゃない


全身くまなく頭の先から触られる

な、何事!?!?

わけのわからん状況にフリーズしてしまったのを、泉が助けてくれた


「お前、杏がびっくりしてるだろ」