ガラの悪い方々が、 次々と走りさっていきます。 「よ、よかったぁ。」 思わず、時那くんの腕を掴んで、 へたりこんでしまいます。 「大丈夫ですか!?」 自分でも、思った以上に怖かったみたい。 しっかりと両腕で支えてくれる彼。 ・・・・思いよね。 「ご、ごめんね。足が震えて。」 「いえ。元はと言えば、俺が悪いので・・・・ 怪我はありませんか?」 支えられて、ゆっくりと立ち上がる。 彼の、自分より少し高い体温が、今は落ち着く。 私は時那くんに向き直ります。