上履きだけが残っていた。

神崎くんが愛用しているスニーカーが消えていた。


やっぱり、神崎くんは学校を飛び出していったんだ!


私も慌ててスニーカーに履きかえる。

学校を飛び出して、神崎くんを追いかけようとした瞬間。



「神崎くんのお父さんって、どこにいるの……?」



右か左か。


校門の前で足が止まってしまう。


どうしよう。


学校で見つけられなかったのに、学校外なんて広すぎてどの方向に行けば良いのか分からないよ……。



泣きそうになる。

今まで神崎くんが、学校を飛び出すことなんてなかったのに。

神崎くんの異変に気がつけなかった自分が悔しい。


涙がこぼれる。


そう思った瞬間。